英語学習のステップアップとして、多くの人が挑戦する英検準1級。この資格は、英語力の証明として非常に信頼性が高く、進学や就職、さらには海外留学を目指す際にも有利に働きます。

ただ、その難易度は高く、幅広い語彙や複雑な読解力、論理的な表現力、さらに実践的な会話スキルまでが問われるため、簡単に合格できる試験ではありません。

「どのくらいの点数で合格できるの？」「何割くらい正解すればいいの？」「制度変更で何が変わった？」など、疑問を持つ方も多いはずです。そこでこの記事では、現在の試験制度に基づいた英検準1級の合格目安や出題内容について詳しくご紹介します。

合格に必要なスコアと評価方法

現在の英検では「CSEスコア（英検スコア）」という評価基準が使われており、単純な点数の合計ではなく、さまざまな要素を元にした総合的な数値で判定されます。

このスコアは、正答数だけでなく問題の難易度や他の受験者の成績状況も反映して算出されます。そのため、「何問正解すれば合格できる」といった単純な基準では語れません。

とはいえ、全体として7割前後の正答率が合格圏内の目安とされています。特定のパートでミスをしても、他の分野で高得点を出せば十分に挽回可能な仕組みになっています。

得点アップのカギはライティングにあり

英検準1級の中でも、特にライティングはスコアへの影響が大きいとされています。読解やリスニングで多少つまずいても、ライティングでしっかり点を取れば合格に近づくことが可能です。

ライティングでは、与えられた英文の要点をまとめる「要約」と、自分の意見を論理的に述べる「意見論述」の2種類の問題が出題されます。とくに後者は、構成の明確さや語彙の豊かさが求められます。

試験の構成と出題内容

英検準1級は、一次試験（筆記とリスニング）と二次試験（面接）に分かれています。

一次試験の内訳

一次試験の中では、特に語彙レベルが高く設定されており、普段使わないような単語やトピックも出題されます。リスニングもスピードが速く、内容が抽象的だったり専門的だったりするため、慣れが必要です。

二次試験のポイント

二次試験は面接形式で約10分間、全て英語で行われます。イラストの描写や時事問題に関する質問に即答することが求められ、即興性と表現力が試されます。

話す力だけでなく、論理的に話を組み立てる力や語彙の的確な使用が合否を左右します。

合格率と試験の難しさ

公式なデータは公開されていませんが、英検準1級の合格率はおおよそ15〜20％前後と推定されています。特に高校生以下では難易度が高く、合格率もさらに低い傾向にあります。

しかし、出題傾向を分析し、自分の得意不得意を把握して計画的に学習を進めれば、合格は十分に射程圏内です。

おわりに

英検準1級は、ただの語学試験ではなく、「読む・書く・聞く・話す」のすべてのスキルをバランスよく問われる実力試験です。CSEスコアの仕組みを理解し、特にライティングでしっかり点を稼ぐことが合格の近道となります。

毎日の積み重ねが結果につながります。焦らず、自分に合ったペースで学習を続けていきましょう。英検準1級を突破することで、あなたの英語力は確実に一段階レベルアップするはずです。

英検準1級対策のコツとは？実力を引き上げる具体的な学習ステップ

英検準1級の試験構成や出題傾向を把握したら、次に大切なのは日々の学習方法をどう設計するかです。英検準1級は難関ではありますが、しっかりと戦略を立てて取り組めば十分に合格を目指せる試験です。

ここでは、英検準1級に合格するために実践したい、分野別の効果的な学習方法をご紹介します。

自分の英語力を正しく見極めることが第一歩

まずは現在の自分の英語力がどの程度なのかを知ることが重要です。公式サイトなどで公開されている過去問を使い、試験時間どおりに解いてみると、得意な分野と苦手な分野が明確になります。

この診断結果をもとに、自分に合った学習計画を立てましょう。

語彙力を強化するためのポイント

準1級では抽象的・専門的な単語が多く登場します。基本単語だけでは対応しきれないため、語彙の強化は最重要課題といえるでしょう。

語彙を覚える際は意味だけでなく、その単語が実際にどう使われるかという使い方まで意識すると、記憶に残りやすくなります。

リーディング：速く正確に読み取る力を身につける

長文を読むときは、すべてを訳すのではなく、段落ごとの要点を押さえる読み方を意識しましょう。論理構成や接続語に注目することで、流れがつかみやすくなります。

また、問題文を先に読んでから本文に取りかかる「先読み」テクニックも、情報を効率よく探すうえで有効です。

ライティング：論理的な構成を意識した表現練習

準1級のライティングは、「英文要約」と「意見エッセイ」の2つのパートで構成されています。エッセイでは、序論・本論・結論といった構造を意識し、自分の意見を明確に述べることが求められます。

あらかじめテンプレートを決めておくと、本番でも落ち着いて書くことができます。可能であれば、ネイティブや指導者に添削してもらうことで、表現の精度がぐっと高まります。

リスニング：日々の英語音声との接触がカギ

リスニング力を伸ばすには、毎日少しでも英語の音声に触れる習慣を作ることが重要です。ニュースやポッドキャスト、映画などを活用し、話の全体像をつかむ練習をしましょう。

シャドーイング（聞いた英語をすぐに口に出す練習）は、発音・語感・集中力を総合的に鍛える手段としておすすめです。

スピーキング：自分の言葉で話す練習を重ねよう

二次試験の面接では、即興でイラストの説明や自分の意見を英語で述べる必要があります。限られた時間の中で要点を伝える練習が効果的です。

このように、他の技能と連動させることで、スピーキング力を効率よく高められます。

継続することが一番の近道

準1級を突破するためには、毎日の学習の積み重ねが何よりも大切です。一度にすべてを覚えるのは難しくても、継続することで着実に力がついてきます。

やる気が続かないときは、英検に特化したスクールやオンライン講座の受講も視野に入れてみましょう。特にライティングやスピーキングは、第三者からのフィードバックが大きな効果をもたらします。

おわりに

英検準1級の学習は、単なる資格取得を超えて、英語4技能をバランスよく育てる貴重な機会になります。目標に向かって積み重ねた努力は、英語力とともに大きな自信にもつながるでしょう。

焦らず、マイペースに一歩ずつ進んでいくことが大切です。あなたの挑戦を心から応援しています！